東京地方裁判所 昭和24年(ワ)5033号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
(事實)
原告は罹災都市借地借家臨時処理法第二條、第九條の賃借の申出によつて係争土地について借地権の設定を受けたものであり、被告は該土地を地主より賃借したと称して原告の借地権設定後にこれを占有使用しているものである。
原告は賃借権を理由として被告に対し右土地の明渡を求めているが、裁判所は罹災都市借地借家臨時処理法第二條、第九條に基く賃借権に第三者に対抗し得る効力があるかどうかを問題としてとりあげている。
(判斷)
原告勝訴。判決は、右処理法第二條、第九條に基く賃借権の特殊の性格よりして、同賃借権には第三者に対抗する効力あるものと論じている。
すなわち、
「原告が賃借申出によつてえた賃借権は、他の者に優先する効力をもつから、たとい被告が(中略)地主から右土地について賃借権をえていたとしても(その對抗要件をそなえていないことは、辯論の全趣旨によつて明らかである)、原告はこれを否認することができるのである。
ところで、この処理法第二條、第九條にもとずく賃借権は、処理法が「他の者に優先して」と規定し、それを特殊な性格を帶びるものとして特に厚く保護していることに徴し、その設定のときにあたかも対抗力をそなえたもののように、従つてまた物権的な効力(これを侵害する者に対しては賃借權の効力として妨害の排除を求めることができるような力)を取得するものであるとして扱うのが相当である。
被告は原告に対して、本件土地を明渡さなければならない。」